高齢者を見守るさまざまな方法の中で、もっとも手軽に導入できるのがアプリによる見守りです。
インターネットの環境があり、見守る側・見守られる側が、端末(スマホ・PC)を持っていれば手軽に利用できますよね。
「アプリだけでは、見守り対策として不十分?」と感じる点もありますが、高齢者を見守るきっかけ作りとしては最適です。
ここでは、高齢者の見守りの必然性を解説し、厳選したおすすめのアプリを紹介します。
アプリでは補うことのできない点を検証し、より良い選択ができる提案もしますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
最後までお読みいただければ、高齢者の見守りの必要性と、最適な方法の選択ができるはずです。
高齢者の見守りにアプリが必須の理由
高齢者の一人暮らしにはアプリの導入が最適です。
その具体的な理由として、下記のような項目が挙げられます。
- 孤独死・孤立死の増加
- 認知症の増加
- 支援サービスの不足
- 大掛かりな見守りサービスを嫌がる
高齢者(65歳以上)の一人暮らしによる2024年1〜3月期の「孤独死」は17,034人となり、孤独死総数のおよそ78%を占めます。
また、認知症患者は2030年までに80万人増え、2040年には584万人になる見通し。
見守る側のご家族としては心配はですが、高齢者の中には、大掛かりな見守りを嫌がる方や「自分は大丈夫」と信じている方が多いのも事実です。
その点、アプリであれば、現状を変えずに高齢者の日常を見守ることができます。
すでにスマホをお持ちなら費用もそれほど掛からないのが嬉しいですね。
離れて暮らす高齢者の見守りにはアプリが必須のアイテムといえるでしょう。
高齢者の見守りアプリ導入のチェックポイント
高齢者のご家族を手軽に負担なく見守れる「見守りアプリ」ですが、導入する際には下記のような点への注意が必要です。
- OSとの互換性
- 操作の容易性
- 導入の負担
それぞれについて解説します。
OSとの互換性
見守りアプリにはOSとの互換性、つまりスマホの種類や機種によって使えない場合があるので注意が必要です。
iPhoneにしか対応しないアプリ、Androidでしか使えないもの、あるいは古い機種にはNGというケースもあります。
事前にしっかり調べておきましょう。
操作の容易性
高齢者にとって、アプリの操作が簡単であることは重要なポイント。
現在は多くの方がスマホを持つようになりましたが、中には、なかなか馴染めないという方も少なくありません。
スマホを持ち歩くことさえ「煩わしい!」と感じている上に、複雑な機能を追加してしまうと、ますます敬遠してしまうでしょう。
どれだけアプリとしての機能がすぐれていても、操作が複雑すぎて使えないということになってしまえば意味がありません。
高齢者の方にとっては、機能より操作が簡単であることが最優先されます。
導入の負担
見守りアプリの導入メリットは手軽さです。
したがって、金銭面での負担にならいものを選ぶのがおすすめ。
さらに「見守られている」ことが精神的負担とならないよう配慮が必要です。
- 見守られている
- 管理されている
- 監視されている
これらは、人によって感じ方が違うため、判断が難しくなります。
ご自分ならどう思うか、と想像しつつ、負担にならない範囲で導入するのが望ましいでしょう。
高齢者の見守りアプリおすすめ7選|無料もあり!
ここでは、高齢者の見守りに最適なアプリを紹介します。
厳選したおすすめ7種のアプリランキングは以下の通りです。
- ファミリーネットワークサービス
- みまもるくん
- みまもりlite
- LINE エンリッチ見守りサービス
- ラクホン
- みん歩計
- リンクプラス
見守りアプリは無料のものが多く、それぞれ特徴が異なります。
ひとつずつ、確認していきましょう。
ファミリーネットワークサービス
ファミリーネットワークサービスは三井住友フィナンシャルグループが提供している無料の見守りアプリです。
離れて暮らす高齢者を、経済面・健康面・現在位置の3つの観点から見守ります。
経済面の管理は三井住友銀行による口座管理です。
設定金額以上の出金をメールで家族に通知し、振り込め詐欺などの被害から守ってくれるのも大きな魅力!
健康面においては、歩いた歩数が自動的にランキング形式でアップロードされるため、体調の変化を把握しやすいでしょう。
現在位置の情報が、徘徊や誘拐などのトラブルを防いでくれますので安心ですね。
対応機種 | Android・IOS |
---|---|
特徴 | 口座管理 歩数把握・位置確認 |
費用 | ベーシックプランは無料 プレミアムプランは500円/月 |
みまもるん
「みまもるん」はiPhon対応の見守りアプリです。
見守られる高齢者の方がiPhoneを所有している場合に、無料でインストールできます。
初期設定だけで済むという操作の手軽さが最大の特徴!
見守られる側の高齢者が、次のような状況に陥ったとき、緊急事態としてメールや音声メッセージ、SMSで知らせてくれるので安心ですね。
- 位置情報、充電状態、ロック解除に長時間変化がみられない
- iPhoneを長時間動かしていない
- バッテリ残量が5%未満となる
要所を押さえた、操作性抜群のアプリとなっています。
対応機種 | iPhon(OS 16.0以降) |
---|---|
特徴 | 操作不要 自動通知機能・緊急通知機能 |
費用 | 無料(アプリ内課金300円/月) |
みまもりlite
「みまもりlite」は携帯はもちろん、部屋に置いておくだけでも見守りをしてくれるアプリです。
通常は日付と時間が表示されているため、インテリアとしても使用可能!
外出・在宅など画面いっぱいに表示されたボタンを押すだけで、瞬時にメールが送信される手軽さも高齢者にとっては嬉しいポイントです。
また、内蔵カメラによる動体検出と照度センサーの24時間蓄積データが自動送信され、室内での活動状況やカーテンの開閉など詳細を把握できます。
伝言や緊急通報など、見やすい画面ですべての操作がシンプルな点は大きな魅力と言えるでしょう。
対応機種 | Android 5 ~ 6系 ※iOSは不可 |
---|---|
特徴 | 明るさと動きを自動検出 インテリアとしても使える |
費用 | 無料 |
LINE エンリッチ見守りサービス
「LINE エンリッチ見守りサービス」は、NPO法人エンリッチの運営する無料のアプリです。
現代日本人のほとんどが使っているLINEに、サービスを「友達追加」することで利用可能に!
あらかじめ設定された期間内に安否確認できない場合、直接電話による確認や、さらに近親者へ通知されます。
エンリッチが管理者となって見守る無料の「見守りサービス」と、家族などのグループで見守り合う有料の「つながりサービス」の2種類がありますので、興味のある方は是非チェックしてみてくださいね。
対応OS | Android ・IOS |
---|---|
特徴 | LINEの友達追加による安否確認 |
費用 | 見守りサービスは無料 つながりサービスは550円/月 |
ラクホン
「ラクホン」は、スマホ初心者の方でも簡単に操作できるよう開発されたアプリです。
アイコンや文字を大きく表示した見やすい画面とシンプルな機能で、初めてスマホを使うお子様から高齢者の方まで幅広い年齢層から人気を集めています。
ワンタッチダイヤル機能とSOSの緊急電話、さらに緊急ボタンを押すだけで通報できる「緊急メール機能」を備えているのが特徴。
通知の時間を短縮するだけのシンプルな機能ですが、一刻を争う緊急時にも非常に有効です。
スマホ操作に抵抗を持つ高齢者の方に、是非おすすめしたいアプリになっています。
対応OS | Android ・IOS |
---|---|
特徴 | 画面が見やすい ワンタッチ操作 |
費用 | 無料 |
みん歩計
「みん歩計」は、その名の通り「みんなで歩く」をコンセプトとしたアプリです。
「歩く」という人間の行動の基本に特化し、歩数を計測して健康状態を把握します。
毎日歩いた歩数がグループ内で共有されるため、わざわざ連絡を取り合わなくてもお互いの状況がわかるので便利!
「ウォーキングを続けたいけれど一人では難しい」という親御さんにとっては、グループで歩数を共有することで、継続への励みになるかもしれませんね。
歩いた歩数がポイントとなり、デジタルギフトや他社ポイントと交換できるので、歩く楽しみも倍増されるでしょう。
対応OS | Android ・IOS |
---|---|
特徴 | 歩数と移動距離による健康チェック 歩いた分だけポイントが貯まる |
費用 | 無料 |
リンクプラス
「リンクプラス」は孤独死・孤立死を防ぐために開発されたシンプル機能のアプリです。
設定された時間内にスマホの操作が行われなかった場合、あらかじめ登録された送信先に緊急メッセージが送られます。
設定時間は8〜48時間の範囲、送信先は3軒まで登録可能!
メッセージは、送信エラーを防ぐためSMSで送信されます。
対応OS | Android ・IOS |
---|---|
特徴 | 一定期間操作がなければSMS送信 位置情報の送信も可能 |
費用 | 無料(位置情報送信は別途課金) |
高齢者の見守りアプリの問題点
アプリによる高齢者の見守りは手軽で安価、しかも操作は簡単です。
その反面、多様性に乏しく、小さな変化を見落としてしまうかも知れません。
カメラ検知や動体検知はアプリ機能というよりはスマホ自体の機能に左右されるため、深夜の徘徊などを鮮明に映し出すことは難しいでしょう。
また、無料のアプリは余計な広告が表示されるため、ミスタッチしてしまうことも考えられます。
その他、対応OSが限られるなどのデメリットも。
こうしたアプリの問題点を補うため、より範囲が広く、きめ細やかな見守りサービスが展開されつつあります。
さまざまな視点から、高齢者見守りサービスを検討するのがおすすめです。
高齢者の見守りアプリの問題点の解決方法
高齢者の見守りに対して、スマホアプリの多様性の乏しさ、検知機能の問題点などを解決する方法として、以下の2つの見守りサービスを紹介します。
- 24時間365日の安心見守りのアイシル
- 緊急時にセコムが駆けつけてくれるMONOMA
どちらも、一人暮らしの高齢者の見守りにおいて、非常に安心感のあるサービスです。
順番に見ていきましょう。
24時間365日の安心見守りのアイシル
高齢者の見守りにおいて、スマホアプリでは気付けない小さな変化も見逃さないのが「アイシル」です。
アイシルは以下の4つのセンサを用い、24時間365日切れ目なく高齢者を見守ります。
- 人感センサ
- ドアセンサ
- 温度センサ
- 照度センサ
人感センサにより起床などの行動を、ドアセンサで外出を確かめます。
そして、照度センサでカーテン開閉などの規則正しい生活が送れているかをチェックし、温度センサで室内環境の異常を検知します。
さらに、体操・脳トレ促し機能による筋力低下と認知症予防、服薬・食事管理まで把握できるから安心。
過去のデータと比較しやすく、ちょっとした変化にも気づきやすいため、認知機能の低下にいち早く察知できるでしょう。
特徴 | 費用 |
---|---|
各種センサによる24時間365日の見守り認知症予防 生活習慣管理機能データ比較が容易で変化に気づきやすい | 初期費用:21,780円 月額料金:2,178円~ |
\ 認知機能低下の早期の気づき支援機能を搭載 /
アイシル緊急時にセコムが駆けつけてくれるMONOMA
「MANOMA(マノマ)」は、ソニーのIoT機器とスマートフォンアプリの連携によるスマートホームサービスです。
家電機器のコントロールはもちろん、防犯セキュリティや室内カメラによる見守り、スマートタグによる外出・帰宅の検知など、家全体で高齢者を見守るシステムになっています。
スマート家電リモコンを使えば、遠隔操作で「エアコンのON/OFF」や「玄関の施錠」も可能な点もポイント!
これだけの見守り機能が揃っていて、月々の料金が格安なのも嬉しいですね。
特徴 | 費用 |
---|---|
あらゆる機器を1つの「プラットホーム = アプリ」で管理 緊急時にはセコムが駆けつける | 初月:1,650円(初期費用含む) 翌月以降:3,278円~ |
\ 充実したサポートサービスで安心利用が可! /
MANOMA高齢者の見守りアプリは、お互いに負担にならない選択が望ましい
高齢者を見守る方法はさまざまですが、スマホアプリの見守りサービスは、無料や格安なものが多いので利用しやすいことがわかりましたね。
「初めての見守り」には、アプリの導入がおすすめです。
その反面、スマホの使用頻度やアプリの種類によって機能が限定されるなどのデメリットも多く、安心できない部分もあります。
アイシルやMONOMAなどのサービス導入も視野に入れ、高齢者自身の体力や認知レベルに応じた対策が必要です。
見守る側・見守られる側にとって、お互いに負担にならない選択をするようにしましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。以上、参考になると幸いです。