認知症の方が外へ出る行動には、買い物や散歩、仕事に行くつもりなど、本人なりの目的があることがあります。周囲からは「徘徊」に見えても、まずは何をしたいのか、不安や体の不調がないかを確かめることが大切です。
外出を一律に止めるのではなく、安全に出かけられる支援と、帰れなくなったときの対応を準備しましょう。この記事では、家族だけで抱え込まない備え方をまとめます。
いま行方がわからない場合は、捜索と警察への相談を優先
帰宅しない、いつもの場所にいないなど、安全が心配なときは「そのうち帰る」と長く待たず警察に連絡してください。交通事故や生命の危険が疑われる場合は110番で状況を伝えます。本人の写真、服装、最後に確認した時刻と場所、よく行く場所、携帯電話やGPSの情報を整理しましょう。
GPSの検索や近所の確認を、警察への連絡を遅らせる理由にしないでください。家族が複数いる場合は、連絡担当と確認担当を分け、無理な単独捜索は避けます。
神奈川県警の行方不明者相談では、届出に最近の写真や不明時の状況がわかる資料を用意することを案内しています。正式な届出の方法は警察の指示に従い、見つかった際も必ず連絡しましょう。
外出の背景を本人の立場から考える
「家へ帰りたい」「仕事の時間だ」と感じている、落ち着かない、トイレや用事を探しているなど、理由はさまざまです。いつ、どのような場面で外へ出ようとするのかを記録すると、支援の手がかりになります。
「ここが家でしょう」と言い争うより、まず話を聞き、安心できる言葉で声をかけます。急に落ち着かなくなった場合は、痛み、体調、薬の変更なども含めて医療者へ相談してください。原因を家族だけで決めつけないことが大切です。
日常の外出を支える5つの準備
1.本人が続けたい外出を確認する
散歩や買い物など、好きな行き先と時間を確認します。一緒に歩く、近所の人や支援者とつながる、休憩場所を決めるなど、できる範囲の方法を考えます。外出をすべて取り上げることを最初の選択肢にしないでください。
2.連絡先と近影を用意する
本人と相談し、持ち物に連絡先がわかるカードなどを入れます。必要以上に住所や病名を外から見える形で表示せず、誰に何を共有するかを決めましょう。写真は日常の姿がわかる最近のものを家族が確認できるようにします。
3.地域の支援に登録・相談する
市区町村によって、行方不明時の情報共有、事前登録、見守りネットワークなどがあります。名称や条件は地域ごとに異なるため、地域包括支援センターや自治体に確認します。東京都の取組のように、自治体間で情報を共有する仕組みもあります。
4.玄関の通知を「禁止」ではなく気づきに使う
開閉センサーやチャイムは、外出に気づく補助手段になります。ただし通知を見られる人がいなければ対応につながりません。通知の時間帯、家族が不在のときの連絡先、誤通知時の扱いも決めます。避難できなくなる施錠や閉じ込めに頼らず、安全な環境を専門職と相談しましょう。
5.家族の休息も確保する
夜間も常に見張り続ける方法には限界があります。通所、訪問、短期入所などをケアマネジャーと相談し、見守りを分担します。家族が眠れない、仕事が続けられない状態になる前に支援を増やしましょう。
GPS・見守り機器を選ぶときの確認点
GPSは端末の位置情報を確認する道具で、道迷いや行方不明を必ず防ぐものではありません。端末を持たない、充電が切れる、電波が届かない、位置に誤差がある場合も想定します。実際に使う道や建物で試し、本人が無理なく携帯できるかを確認してください。
- 充電する人と頻度、電池切れ通知の有無
- 位置の更新間隔と屋内・地下などでの利用条件
- 家族が通知に気づけないときの代替連絡先
- 位置確認だけか、捜索・駆けつけまであるか、その契約範囲
- 位置情報を見る人、保存期間、解約と端末返却の条件
機種の比較は高齢者向けGPSの選び方を参考に、契約直前の公式条件も確認しましょう。ホームセキュリティの駆けつけが、そのまま外出先での捜索を意味するわけではありません。
見つかったときは、責めずに体調と安心を確認
安全な場所へ移動し、けがや体調不良がないか確認します。意識がはっきりしない、強いぐったり感などがあれば医療対応を優先します。落ち着いてから外出の背景を振り返り、「次はどう支えるか」を本人と支援者で考えます。
厚生労働省の意思決定支援ガイドラインにあるように、認知症があっても本人の希望を尊重する姿勢が基本です。家族の心配と本人の生活の両方を大切にし、機器だけでなく人の支援も組み合わせましょう。
関連する製品・サービスを検討する場合
機器や市販品は生活を補助する選択肢です。以下の画像・案内は医療的な効果を示すものではありません。本人の使いやすさと必要な支援を先に整理し、現行の提供状況・料金・契約条件は公式窓口で確認してください。
MANOMAの掲載画像です。家庭内の確認方法と、別契約の駆けつけの条件は分けて確認しましょう。画像だけで現在のプランや利用範囲を判断しないでください。

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MANOMAGPSサービスの掲載画像です。位置情報は端末の携帯、充電、通信環境などに左右されます。道迷いや事故を必ず防ぐものではなく、捜索・駆けつけが含まれるかも確認が必要です。

ALSOKの掲載画像です。基本サービスと追加オプション、通報の条件を確認しましょう。すべての異変を自動で検知するという意味ではありません。

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